アイドルの定義
アイドルって、何だろう。
ふと、テレビに映るアイドルの女の子を見て思った。十六歳の夏の日だった。
歌える、踊れる、話も上手。本業は歌手だが、時にはその範疇をはみ出し、ドラマやCMに出たりして、グラビアやモデルまでこなしちゃう。
まさに、オールラウンダータレント。一概にアイドルと言えども、ビジュアルがすこぶる良いという共通項を除けば、その形態は実に様々である。
そもそも、何がアイドルか、という線引きも難しい。
歌手だけならまだしも、例えば俳優さん女優さんで、アイドル的な人気を誇る人達がいる。彼らはアイドルではないが、アイドルと呼べなくもない。
スポーツの分野においても同じ事が言える。顔立ちが良いために、マスコミからアイドル扱いをされる人達がいる。彼らも決してアイドルではないが、見ようによってはアイドルかもしれない。
グラビアアイドル、というのもおかしな話だ。アイドルの根源はアイドル歌手にある。しかし、グラビアアイドルというのはグラビアを専門とする女性をさす。つまり、"アイドル"と名が付いているのにマイクを握らないアイドルなのだ。
もはや、アイドルって何なんだ。この辺りで私の思考はショート寸前である。
しかし、まだある。地下アイドルだ。
テレビには決して映らない世界で、アイドルとして崇められている人達だ。彼らはプロというより、アマチュア寄りな所がある。実際、平日はOLをやっていて、休日は地下アイドルとして活動している人もよく聞く。
同じ匂いがする地方アイドルも然り、だ。町おこしの一環として地域密着を掲げて活動する人達もいれば、上京を繰り返して地方関係なくね?ってツッコミたい地方アイドルもいる。そうかと思えば、期間限定・イベント限定のアイドルもある。
そう考えれば、アイドルってとんでもない数になるんじゃないだろうか。何千、いや何万人・・・・・・。うじゃうじゃいる。
いやいや、ひょっとしたら全人類、皆アイドルなのではないか。誰かが、誰かのアイドルなのではないだろうか――――。
いやあ、アイドルって難しい。
あれ。ひょっとしてアイドルって、実はかなり奥が深いんじゃね? 私が思っていた以上に面白いモノなんじゃないの。
そう思えた途端。今までただ可愛いだけ、格好いいだけの人達って印象だったアイドルが、がらりと変わって見えた。無限に続く宇宙が、目の前に広がった。
十六にして自らの呪われし天命を悟った私。以降、広く浅くをモットーに、アイドルを知り、楽しみ、時にはささやかに応援する日々を過ごしています。
このブログではそんな私の日々をマイペースに綴っていくものです。どうか、温かい目で見守ってください。